有田焼の中心地、佐賀県の有田町は、2016年に創業400年を迎えた歴史深い磁器の産地です。
この地で作られる有田焼は、長い年月を経ても変わらぬ魅力を放ち続けています。
その魅力を実感するためにも、生産地である有田町を訪れてみませんか?
有田焼と伊万里焼の違い
有田焼と伊万里焼は、どちらも名高い日本の磁器ですが、その由来は異なります。
伊万里焼は、江戸時代に伊万里港から出荷された磁器にその名を得ています。
一方、有田焼は明治時代に入り、陸上輸送が一般的になると共に広まった名称です。
現在、有田地区で製造される磁器は有田焼、伊万里地区で製造されるものは伊万里焼と呼ばれていますが、産地を除けば、原料や製法に差はありません。海外ではどちらも「Imari」として親しまれています。
有田陶器市
毎年ゴールデンウィークに開催される有田陶器市は、始まりは「蔵ざらえ大売出し」として行われていた品評会からです。年々参加者が増え、現在では120万人もの人々がこの期間に集まる、大人気のイベントへと成長しました。
伊万里 春の窯元市
春になると伊万里で開かれる「春の窯元市」では、約30の窯元が出展します。ここでは、大川内山の美しい景色と共に、ショッピングを楽しむことができます。
有田焼創業400年事業
有田焼の創業400周年を祝う盛大な記念事業が、佐賀県有田町を中心に各地で展開されました。
このキャンペーンでは、陶磁器製造の炎をイメージしたマスコット「セラミー」が登場。400年の歴史を機に、有田焼の魅力を世界に向けて積極的に発信しました。
ここでは、その記念イベントの見どころを紹介します。
有田まちなかフェスティバル
2016年10月1日から11月30日にかけて、有田町で様々なイベントが約80件も開催されました。
有田焼の工場を公開する「工場マルシェ」や、有田焼を自由に詰め込む「トレジャーハンティング」、地元男性ガイドによる「うつわ男子」ツアーなど、秋の有田を彩る魅力的なイベントが盛りだくさんでした。
有田皿山まつり
2016年10月23日には「有田皿山まつり」が開催され、町民全員が参加して皿踊りを披露しました。
この踊りの特徴は、手に持った皿を擦り合わせて音を出す動作です。
有田駅の祭り広場や町の各所で「有田磁器太鼓」の演奏も行われ、町全体が祭り気分に包まれました。
有田焼の発祥の地で、伝統的な祭りに参加することで、その歴史と文化を肌で感じることができます。
有田焼を巡るおすすめスポット
有田焼の豊富な歴史を学び、その美しい作品を手に入れたい方へ。
時間が限られていても、有田焼の魅力を深く味わえるスポットをご紹介します。
§有田陶磁の里プラザ
世界最大級の有田焼ショッピングセンターで、多くの陶磁器店が軒を連ねています。
店ごとに異なる特徴を持つ磁器が扱われており、お探しの有田焼がきっと見つかるはずです。
お土産探しにもぴったりの場所ですし、一年を通じて様々なイベントが開催されています。
§九州陶磁文化館
九州の陶磁器を広く展示する美術館で、有田焼だけでなく、地域の陶磁器の歴史や文化に触れることができます。
貴重な歴史資料や展示物が多数あり、特に輸出用に製作された伊万里焼の蒲原コレクションや、江戸時代の有田磁器が集められた柴田夫婦コレクションは特に見どころです。
§トンバイ塀の裏通り
かつての登り窯を解体した際に出た耐火レンガ、「トンバイ」で作られた塀に囲まれた通りを歩いてみましょう。
有田町の泉山~上幸平~大樽地区や稗古場地区には、このようなトンバイ塀がよく見られます。
地域に残る伝統的な建築とともに、有田焼の技術を守るために職人が作ったとされる塀は、有田焼の街特有の風情を感じさせます。
まとめ:進化し続ける有田焼の世界
いかがでしたでしょうか。
工芸品としての美しさと日用品としての実用性を兼ね備えた有田焼は、長い歴史の中で絶えず新しいデザインに挑戦し、進化してきました。
このような持続的な進化が、有田焼を次世代に伝える貴重な文化遺産としての価値を高めています。
有田町の魅力あふれる文化を直接体験するために、ぜひ一度訪れてみてください。